自分のサービスや商品は子供と同じです。だとしたら本当にそれで大丈夫ですか?

これは過去にイベントを開催していた友人から聞いた話です。

彼女は月に一度、無料でお茶を飲んでもらうというイベントを、仲間数人で開催していました。
中国茶の中から毎月1種類を選び、それを無料で振る舞っていました。

体に良い中国茶をたくさんの人に知ってもらいたい、というのがイベントを始めた理由でした。
会場には茶葉も用意し、購入することもできました。

毎回無料でお茶を飲んでもらい、気に入ったら購入していただくというシステムで、茶葉が売れれば利益が上がる仕組みです。
ですが、会場のレンタル代や茶葉の仕入れなど、経費を賄えるほどは売れませんでした。

毎回300人以上の人が集まり、外から見ればうまくいってるように見えましたが、人は来るけど茶葉は売れず、実際は赤字続きでした。

このままではいけないということで、お茶の無料試飲をやめ、有料でお茶を飲んでいただき、気に入ったらさらに茶葉を購入してもらう仕組みへ変更しました。
有料といえど、お店でいただくよりはるかに安い価格に設定しました。

するとどうでしょう。
来場者は激減し、100人にも満たなくなりました。
さらに有料のお茶を飲む人も少なく、茶葉を購入する人も増えず。
イベントの継続は難しくなり、その後休止となってしまいました。

この話に、とても大切なヒントが隠れています。
最初の300人は、なぜ集まっていたのか。
なぜイベントは休止となってしまったのか。

無料がいけないわけじゃない。
有料にしたのがいけないわけじゃない。
じゃあどこをどうすればよかったのか。

世の中には、より価格の安い方へ流れていく人たちがいます。
その人たちが悪いわけではありません。
欲しいものが安く手に入れば嬉しいのは、誰でも同じです。

一円でも安く買いたいものと、高くてもその人(店)から買いたいと思うものは違う、ということを知っておく必要があるんじゃないかと、この話を聞いて思いました。
そして自分の売っているサービスや商品はどっちなのかを、きちんと知ることが大事だと思いました。

お金をもらうのが申し訳ないとか、正規の値段をいただきたくないとか、商売を始めたばかりの人からよく相談されます。
その時に私は必ず、価格を下げるのは簡単だけど、価格を上げるのは難しいから、最初からきちんとお金をいただく設定にした方がいいよ、と伝えます。

お客さんから見たら、あなたはプロです。
1年目も10年目もお客さんには関係がなく、同じプロとして見えています。

自分のサービスや商品は、子供と同じです。
作ったら終わりではなく、そこからさらに育てていき、ゆくゆくは新しいパートナーの元へ旅立っていきます。

だとしたら、本当にそれでいいですか?
自分のサービスや商品は、無料や格安で提供する程度のものなんですか?

どんなパートナーの元へ行くかは、親である私たち次第です。
だからこそ、そのシステムで大丈夫かどうかを、考えてみるといいと思います。

もう一つ大切なことは、利益を出すことから逃げないことです。
自分の仕事や活動を続けていきたいなら、きちんとお金が入ってくる仕組みを作るのは、絶対条件です。
そこから逃げていては、長続きはしません。

あとは、顧客を増やすのかファンを増やすのか。
自分はどっちなのかを、決めておくのも大切です。

無料でお茶を振る舞い人を集め、そこで商品やサービスをアピールして売るのも一つの方法です。
一人ひとりとしっかり向き合い、あなたが言うなら買おうと言ってもらう、ファンを作っていくのも方法です。

友人の話から、学ぶことがたくさんあります。
自分だったらどうしただろうか。
なにが休止の引き金になったのか。
そうやって自分なりのデーターを集めておくと、いつか役に立つと思います。

ではまた。