小さい頃の楽しい思い出は、ほんのわずかで。
思い出すのは、おばあちゃんが優しかったことくらいかな。
誕生日にプレゼントをもらったことはなくて。
家にはサンタクロースも来たことがない。
毎年のお年玉は、お酒とギャンブルに消えていったし。
一生懸命貯めたお小遣いでさえ、気がつけば貯金箱からなくなってた。
それでも、大人になればここから抜け出せると思って。
早く大人になりたくて、それだけを楽しみに毎日を過ごしてたのに。
14歳の冬のあることをきっかけに。
予定よりずいぶん早く、親元を離れることになりました。
ありのままに生きるということ、答えを探して
それからの私は、答えを探しながら生きていた。
どうしてあの家に生まれたんだろう。
どうしてあの親の元に生まれたんだろう。
どうして虐待されたんだろう。
どうして私だったんだろう。
何がいけなかったのか。
何が原因なのか。
ずっとずっと答えを探しながら生きていた。
そして、そんな人生で出会った人の中には。
子供は親を選んで生まれてくる。
自分の人生は生まれる前に自分で選んでいる。
前世にやり残したことを現世でやっている。
御先祖様の罪を償うために生まれてきた。
そんなことを言う人もたくさんいて。
その度に、私は自分で自分の首を締めてきた。
宗教に誘われたことも数え切れないくらいある。
断ると「ろくな死に方しないよ」と言った人もいた。
「あなたが償わなければ、あなたの子供が罪を被るわよ」と言われたこともある。
辛かった。
全部私に責任があると言われることが。
それがあなたの宿命でしょ?
自分で選んだ人生でしょ?
だから自分で責任を取るんだよと、そう言われて辛かった。
私が何をしたんだろう?
私のご先祖さまはそんなに悪い人だったの?
私は前世で重い罪を犯したの?
これが私が探していた答え?
私が欲しかったのは、こんな辛いことだったのかな?
答えが分かってからは、前よりもっと生きるのが辛くなった。
でもある時思ったんだよね。
自分で選んで生まれてくるとか、バカじゃないかと。
誰が好き好んで、義父から性的虐待を受ける人生を選んで生まれてくるの?
誰が好き好んで、自分を叩く親を選ぶの?
ご先祖さまとか言うけど、会ったことあるの?
自分の子孫が苦しむことを望む先祖がいるの?
そんな不確かな理由で、だからしょうがないんだと諦めるなんて、バカみたいだと思った。
私の人生を、過去に決められたくないと思った。
なにより、答えを欲しがっていた自分が一番バカだと思った。
そう思った途端、肩の力が抜けて。
「しょうがないか」って思えた。
「これが私の人生なんだ」って。
「諦め」でも「許す」でも「受け入れる」でもなく。
ありのままを認めた瞬間だった。
人生には、自分ではどうしようもないことがある。
容姿も。
育つ環境も。
病気も。
事故も。
諦めるんじゃなく、それも含めて全部が自分なんだと。
私はこの世に唯一無二の存在なんだから。
ありのままの自分で、より良い人生を生きていけばいい。
その方が、より豊かな人生を送れるんじゃないかって思ったら、生きるのが楽になった。
結局、答えなんてどこにもなかったけど。
一つだけ分かったのは、答えは自分で作れるということだった。
ありのままに生きるということ、私の人生は今の私が決める
私が生まれてきた意味は、今の私が決める。
私が生きる理由も、今の私が決める。
これからの人生も、今の私が決める。
たしかに辛い過去もあったけど、その分人の痛みが分かるようになった。
何もない人より、深く想像することができるようになった。
これからも苦しいことは起こるだろうし、辛いこともあると思う。
苦しい時は苦しいままに。
辛い時は辛いままに。
もちろん、楽しい時は楽しいままに。
苦しくても辛くても、その中でよりよく自分を生かしていきたい。
辛い過去があったからこそ、今があると思えるし。
深く人と関わることができるんだと、今は思えるようになりました。
「諦め」でも「許す」でも「受け入れる」でもなく。
ありのままを認めて生きていく。
そうすればきっと、未来は明るいと思います。
ではまた。