母との思い出

その日、私は母と二人で出掛けていました。
 
どこに行ったのか、
何をしたのかは全く覚えていませんが。
 
母におんぶされたときの
背中の暖かさだけは覚えています。
 
歩きながら
もう歩きたくないと駄々をこねた私を母は
おんぶして家まで歩いてくれました。
 
母の背中は温かくて
母の匂いがしました。
 
母のことは嫌いです。
今でも許せていません。
 
でも、あの瞬間私は幸せでした。
 
その記憶は大切にしてもいいかなって
最近思えるようになりました。
 
人と記憶は曖昧です。
都合のいいように書き換えられていきます。
 
だから
生きていられるのかもしれないですね。