嫌われたくなくて顔色を伺って機嫌をとっているその相手を、あなたは本当に好きですか?

若い頃の私は、嫌われたくなくて我慢ばかりしていました。

好きな人に対しても、仲のいい友達に対しても、職場の人に対しても。
嫌われたくなくて、言いたいことを我慢していました。
どんなに嫌なことがあっても、我慢すさえれば嫌われずに済むし、人間関係もうまくいくと、本気で思っていました。

家族に嫌われないように。
クラスメートに嫌われないように。
職場の人に嫌われないように。
夫、義両親、義理の姉に嫌われないように。
自分の意見を言わず、ひたすら我慢をしました。

でも、どんなに我慢しても。
姉妹とはうまくいかないし。
学校や職場の女性の輪には馴染めなかったし。
義両親や義姉ともうまくいきませんでした
我慢しても夫婦関係は壊れ、その結果が離婚でした。

あの頃の私は、嫌われたくない一心で相手の顔色ばかり見て、本当の自分を隠していました。
だから何もかも、うまくいかなかったのかもしれません。
 
私はなにが好きなの?
なにが嫌いなの?
なにに心躍るの?
なにを考えなにを感じてるの?

身体に風を受けても、お日様の陽を浴びても、気持ちがいいのかどうかさえ分からないほど、感情が動かない。
そんな状態は、今の夫と再婚した後もしばらく続きました。

当時私は介護士としてデイサービスに勤めていましたが、職員の2人からひどいいじめを受けていました。
大きな声で心無い言葉を浴びせる人と。
まるで私が存在してないかのように無視をする人。
二人からの言動が半年続いたある日、私の感情が爆発しました。

家の中で大声で泣き喚き、これまで我慢してきたこと、職場への不満などを、狂ったように夫に感情のままぶつけました。
そんな私を夫は怒ることもしなかったし、呆れて見捨てることもありませんでした。

その後うつ状態になった私は家にひきこもり、自分の身の回りだけでなく、家事が一切できなくなりましたが。
夫と娘たちが協力して、私を支えてくれました。

この時、私は私のままでいても大丈夫なんだって。
嫌われないように自分を隠さなくてもいいし、ありのままの自分を表現しても大丈夫なんだって、そう思いました。

嫌われたくなくて本当の自分を隠してたけど、そんな自分が嫌いだった。
だから苦しかったんです。

自分が嫌いで自分に自信がなくて。
こんなダメな自分をさらけ出したら、嫌われちゃうんじゃないかっていう不安と。
その不安が相手を信用できない不安へと変化して、さらに本当の自分を隠すようになる。
自分も他人も信用できずにいる孤独が、私を苦しめていました。

でも今は、自分を嫌いになりたくないから、自分の気持ちはきちんと伝える。
自分を嫌いになりたくないから、我慢をしない。
そう考えられるようになりました。

言っていいこと、よくないことはある。
言い方も大事。
だけど言葉にしないと相手には伝わらない。

今は、自分も目の前の人も嫌いになりたくないから、気持ちをきちんと伝えようと思うし。
自分にも相手にも嫌われたくないから、素直に自分を表現したいと思います。

人から嫌われたくない、という気持ちは誰にでもあります。
それも大事な自分の一部ですが、そこに囚われて本当の自分を隠さないでほしいと思います。

嫌われたくないと思って、顔色を伺って機嫌をとっているその相手を、あなたは本当に好きですか?
そうまでして一緒にいるのはなぜですか?
それをしている自分は好きですか?

ではまた。