私は何のために生まれてきたんだろう。
そんなことを朝から晩まで毎日考えてた時期がある。
電話機はあるけど未払いで止められてて。
時々電気も止まったりして。
親はいつも家にいなくて。
冷蔵庫はいつも空っぽで。
親から給食費をもらえずに「忘れました」と毎月先生にウソをついていたあの頃。
朝起きて顔を洗うことも。
鏡を見て髪をとかすことも。
寝る前に歯磨きすることも。
人と会ったらあいさつすることも。
人の家に上がる時に「お邪魔します」とあいさつすることも。
靴を揃えることも。
何も知らなかったあの頃。
閉店までパチンコ屋に居座り、その後は朝まで飲み歩く親のせいで、いつも子供だけで留守番していたあの頃。
親がギャンブルに狂い、お酒を飲んでは暴れ、大声で夫婦喧嘩し、「迷惑な家族」として近所でも有名だったあの頃。
友達にバカにされ、友達の母親に「家に来ないで欲しい」と言われ、悔しくて情けなくて。
でも、自分が他の子と何が違うのか分からなかったあの頃。
なんで生まれてきたんだろう。
なんでこの家だったんだろう。
なんでこの親だったんだろう。
そんなことばっかり考えてて。
今でも答えは見つからないけど。
ジタバタしながら、思いっきりもがきながら「分からない」って大声で叫んだら、たくさんの人が助けてくれて。
朝起きたら顔を洗うことから、人と付き合う時の作法までひとつひとつ教えてくれた。
そして、自分の人生の意味は自分で作ることができて。
自分の居場所も自分で作ることができるって教えてくれた。
母親に抱きしめられた暖かい思い出はないけど、今は旦那が抱きしめてくれる。
母親から「大好き」なんて言われたことはないけど、今は旦那が毎日数え切れないくらい「大好きだよ」「世界一可愛いよ」って言ってくれる。
親からほったらかされてたけど、代わりに姉が大切に育ててくれた。
そして今は、旦那がお姫様みたいに扱ってくれる。
親の愛情なんて知らないけど、3人の娘に全ての愛情を注いだ。
毎日抱きしめて「大好き」って声をかけて、ご飯を作って身の回りの世話をして。
一緒に笑って。
一緒に泣いて。
どんなことがあっても見放さずに向き合った。
どこにも正解なんてなくて、答えはまだ見つからないけど。
私は3人の娘に会うために歯を食いしばって生きてきたんだと、子育てしてる時に思った。
旦那に出会うために生まれてきたんだと思った。
そして、たくさんの人が私にいろんなことを教えてくれたように。
今度は私がたくさんの人にいろんなことを伝えていくために、あの家に生まれ、あの親と過ごしたのかもしれない。
そんなふうに思えるように、やっとなれました。
なんのために生まれてきたんだろう。
そう思ったとしても、生きてさえいれば、後から振り返った時にきっと何かが見つかると思う。
だから生きよう。
過去を言い訳にせず、過去を生きる力に変えてこう。
「だからできない」じゃなく。
「だからできる」に変換しよう。
そうすれば、どんな悲しくて辛い過去も自分の財産になると思う。
大丈夫。
君ならきっとできるよ
コメントを残す